エニアグラムにおける人格の統合について(概要)

***人格の統合について(概要)***

すべてのタイプは、体・心・思考の3つのセンターを全てうまく使えるようになることで人格が完成される。そのため、根元タイプは、3→6→9と、頂点の3つだけ発達させれば良いが、副次タイプは1→7→5→8→2→4→1と、長い統合への道を進み続けなければいけない。そして、副次タイプは、人格の発達が徐々に進むが難易度は易しい。逆に根元タイプは難易度は高いが人格の発達は一気に進む ”性格のタイプ 増補改訂版 p541”。

わかりやすく言うと、根元タイプであるタイプ3・6・9は、葛藤がありしばらくうじうじしたあと、パパッと一気に良い方向に進むことがあるが、それ以外の副次タイプは、良い方向に徐々に進展する、ということ。

また、各センターの資質は互いに補いあっているので、表にすると下記のようになる。

(各タイプは各センターの資質を限定的に表現するので、補い合うことで人格が完成される(下表))” understanding the enneagram: revised edition p325表”。

エニアグラムの相互連結(補完性)    
タイプと志向 タイプの負の側面 補完する考え
タイプ3、6、9以外    
タイプ1は高い目的を人生に持つ 硬直した考えやルールを持ちがち 現実を喜びを持って受け入れるタイプ7の性質
タイプ7は現実を喜びをもって受け入れる 体験に飢えてもっともっと体験したくなりがち すべての経験に何かしらの意義と神聖さを感じるタイプ5の性質
タイプ5はすべての経験に何かしらの意義と神聖さを感じる 複雑で無用な現実の解釈をしがち 現実と実践に根ざし建設的な活動をするタイプ8の性質
タイプ8は現実と実践に根ざし建設的な活動をする 支配と自己の尊大さをけんか腰で追求する 他人のために行動を捧げるタイプ2の性質
タイプ2は他人のために行動を捧げる 他人を操作し自分の欲求を叶えようとする 自分が何者か、また何をしてよいかについて自分自身を信頼するタイプ4の性質
タイプ4は自分が何者か、また何をしてよいかについて自分自身を信頼する 自らの主観性に囚われ悲劇的な感情に囚われる 高い目的を人生に持つタイプ1の性質
タイプ3、6、9    
タイプ3はつつましく自己を愛し自身を尊重する 自己美化や自己賞讃が激しくなる 他人にコミットし自分の人生の責任をとるタイプ6の性質
タイプ6は他人にコミットし自分の人生の責任をとる 自分を他人から守るため、自身の能力が十分か恐れおののく 現実を完璧に信頼し完全に受容するタイプ9の性質
タイプ9は現実を完璧に信頼し完全に受容する 受け身で自己の重要性を認めない(自己卑下とか) つつましく自己を愛し自身を尊重するタイプ3の性質

 また、各タイプにとって、統合の方向だけが良い資質というわけではなく、分裂の資質も重要。

下記、引用。

そもそも通常の環境において、私たちが分裂の方向に行動する傾向があるのは、私たちが実際には未だ、その資質をわれわれの性格構造に十分に統合できていないにしても、無意識のうちに、分裂方向のタイプによって象徴される癒しと全体性の必要性を知っているからである。

例えば、現実において、分裂の方向が満たされている時、私たちは満足感を感じることが多い。例えばタイプ9であれば、分裂の方向のタイプ6の「仲間とともに、または導きや支えとともに」ある状態というのは、非常に満足する。また、タイプ2であればタイプ8の「自身の力で挑戦し開拓する」などの状況は、満足度が非常に高い。

しかしレベル4~9の通常の範囲~不健全な範囲において、分裂の方向を自他にとって健康な形で扱うことは難しい。なので、分裂の方向は、とくに、レベル1~3の健全な範囲において、つまり、十分に人格的に準備ができたあとで、意義がある。

つまり、すべてのタイプにとって、自分たちの分裂方向のタイプのレベル1での質を心に留めておくことは重要だが、それをすぐに達成することはできないということ。

たとえばタイプ7は分裂の方向のタイプ1の資質である受容と自己規律をまなぶ必要がもっともある。 しかし彼らは直接タイプ1に向かうことで「ここからそこに到達することはできない」。タイプ1への直接的な動きは、タイプ1のより高い質をまなぶのではなく、通常の不健全な習慣を行動化する結果になる。そのためわれわれはこの動きをタイプ7の「分裂の方向」とみなすのである。相当の量の変容のためのワークをおこなったあとにのみ、タイプ7はタイプ1の健全な知恵を一貫して吸収することができるようになる。

以下の表は各タイプにとっての分裂の方向の最善の資質を示す。ちなみに、この分裂の資質のことを、ミッシングピースと呼ぶ” understanding the enneagram: revised edition p320

◇各タイプの「ミッシング・ピース」の特徴 
タイプ1 タイプ4から自分の無意識の衝動と直感を聞き、信じることをもっともまなぶ必要がある
タイプ2 タイプ8から自分自身の強さを認識することと、世界において自分自身の存在を十分に主張することをもっともまなぶ必要がある
タイプ3 タイプ9から、一貫しておこない、達成し、あるいは実行することの代わりに、どのように存在するかをもっともまなぶ必要がある
タイプ4 タイプ2から無条件に自分自身と他者を愛することをもっともまなぶ必要がある
タイプ5 タイプ7から人生は楽しく、宇宙は慈悲深いことをもっともまなぶ必要がある
タイプ6 タイプ3から内部志向型(inner-directed)であることと自分自身を尊敬することをもっともまなぶ必要がある
タイプ7 タイプ1から人生をあるがままに受け入れ、より高い目的のために生きることをもっともまなぶ必要がある
タイプ8 タイプ5から謙虚さと、より長期的な見地からの自身の真のあるべき位置(true place)をもっともまなぶ必要がある
タイプ9 タイプ6から自分自身を信頼し、逆境で成長することをもっともまなぶ必要がある