物語における序列の力学と距離の力学__少年漫画と少女漫画
物語では、主人公たちは小さな勝利と敗北を繰り返す。
では何をもって勝利や敗北とみなすのか?
それを決めているのが、人がそもそも何を勝利や敗北とみなすかで、そこには性差がある。男性か女性かによって、何を勝利や敗北とみなすかが大きく異なるのだ。
続きを読む何かを確かにする過程としての物語
物語では、何かが確かなことになる。その理由を示し、納得させるのが物語だ。
例えば進研ゼミの小漫画(こどもの頃によく送られてきたやつ)では、いつもストーリーが同じだ。進研ゼミをやることで、成績が向上し、部活や恋もうまくいき、自分の人生を良い方向に進めることができる。こういうストーリーだ。
ここでは、「人生を良い方向に進める」ということを納得させるために進研ゼミが活躍する。勉強の成績が向上するばかりか、一見関係ない恋や部活においても(心に余裕ができてうまくいくなどの形で)進研ゼミが役に立つのだ。
続きを読む物語の中の遊びにおける感覚移入
物語では問題を解決するために、何からのゲームや遊びをする。そして見ている側が物語を楽しめるかどうかは、見ている側がそこで行われている「遊び」が魅力的に思えるかにかかっている。さらにいうと、魅力的なだけでなく、「遊び」に共感できるかどうかにかかっている。 とくにそこでは体の感覚の共感が必要になる。
続きを読む物語における「全は一、一は全」の設計。
物語では「全は一、一は全」となるように設計しないと、その話に対してあまり満足感がない。満足感というより納得感かもしれない。『「全は一、一は全」となるように設計する』とは、単純にいえば主人公の成功が周りの成功にもつながる、ということだ。この意見は特に目新しいものではないが、これについてこれから考えてみる。
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