物語のメモ

物語・植物・心理学・文化人類学・IT等について/月1回更新目標

物語における序列の力学と距離の力学__少年漫画と少女漫画

 

物語では、主人公たちは小さな勝利と敗北を繰り返す。

では何をもって勝利や敗北とみなすのか?

それを決めているのが、人がそもそも何を勝利や敗北とみなすかで、そこには性差がある。男性か女性かによって、何を勝利や敗北とみなすかが大きく異なるのだ。

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何かを確かにする過程としての物語

物語では、何かが確かなことになる。その理由を示し、納得させるのが物語だ。

例えば進研ゼミの小漫画(こどもの頃によく送られてきたやつ)では、いつもストーリーが同じだ。進研ゼミをやることで、成績が向上し、部活や恋もうまくいき、自分の人生を良い方向に進めることができる。こういうストーリーだ。

ここでは、「人生を良い方向に進める」ということを納得させるために進研ゼミが活躍する。勉強の成績が向上するばかりか、一見関係ない恋や部活においても(心に余裕ができてうまくいくなどの形で)進研ゼミが役に立つのだ。

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物語の中の遊びにおける感覚移入

 

物語では問題を解決するために、何からのゲームや遊びをする。そして見ている側が物語を楽しめるかどうかは、見ている側がそこで行われている「遊び」が魅力的に思えるかにかかっている。さらにいうと、魅力的なだけでなく、「遊び」に共感できるかどうかにかかっている。 とくにそこでは体の感覚の共感が必要になる。

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物語における「全は一、一は全」の設計。

物語では「全は一、一は全」となるように設計しないと、その話に対してあまり満足感がない。満足感というより納得感かもしれない。『「全は一、一は全」となるように設計する』とは、単純にいえば主人公の成功が周りの成功にもつながる、ということだ。この意見は特に目新しいものではないが、これについてこれから考えてみる。

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